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LX100System 製品紹介

デジタルコンテンツの保管に適したアーカイブストレージ
開発の背景
従来型ストレージシステムの課題
LX100Systemストレージシステムによる実証例
利用イメージ
■開発の背景
 ネットワークインフラが整備・拡充され、多機能なモバイル端末が急速に普及した今日、企業データや個人データ、音データや画像データ等はリッチコンテンツ化し、近年はセンサーデータも登場し、情報量はますます増大している。
 国内のファイルストレージ需要動向では、2010年の国内ファイルストレージの出荷容量(809.6PB)に占めるファイルベース(各種オフィス文書、画像など)出荷容量の構成比は48.0%(389.0PB)だが、2015年にはブロックベース(データベースなど)出荷容量を逆転して76.6%(3,990.5PB、2010年の約10倍の容量)に達するとしている。今後、ブロックベースを主体にしたストレージではなく、ファイルベースに最適なストレージシステムが求められていることを意味する。
 さらに、東日本大震災による電力不足の状況下においても、爆発的に増え続ける情報量に対応し、安定したシステムの維持・運用が可能な消費電力の少ないストレージシステムが求められている。
 このような背景から、手間やコストをあまりかけずに膨張し続ける画像や動画などのデジタル情報の保存ができる新しいストレージシステムの開発と、その消費電力を抑える取り組みが重要です。
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■従来型ストレージシステムの課題
1.ストレージシステムの種類とそれぞれの課題
 ストレージは、表1に示す4種類が通常使用されている。元々はDAS(Direct Attached Storage)のみであったが、DASの欠点を補うべくRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disk)が登場した。RAIDはエンタープライズシステムのデータベースを最適に動作するように改良され、今日では殆どの重要なシステムはRAIDが使用されている。
【表1】ストレージの種類と特徴
 一方、2次記憶装置は、1次記憶装置の故障などでデータの欠損を防ぐため、定期的に内容をバックアップする必要がある。2次記憶装置の特長は、保管時のエネルギー消費が“ゼロ”という点である。しかしながら、保管媒体がひとつのみでは、それ自身がエラーを起こしたり紛失したりすると、重要な記録は全て抹殺される。そのような事が無いように2次記憶メディアも複数保管が必要とされ、更に管理が煩雑になる。
 ストレージについて、見落としてはならない項目に管理単位(“ブロック”か“ファイル”か)がある。この違いが決定的な違いになる。従来は性能中心で考えたために、ブロック管理に成らざるを得なかった。しかし、情報爆発時代は性能より拡張性が重要項目となるために、管理単位をファイル管理に変えた方がより先進的な運用が可能になる。
2.RAIDストレージの課題
 表2にRAIDストレージの課題についてまとめる。従来のエンタープライズシステム向けのRAIDもインターネット上では欠点が目立つ。それでも現場でRAIDが使われているのは、具体的なRAIDに勝るストレージが無いためある。RAIDの基本はデータを分割し保存することで安全性と高速性を両立する点である。さらに管理単位をブロック化する事でより性能を向上させたが、ブロック化そのものが拡張性では壁となった。
【表2】RAIDシステムの課題
3.インターネットの利用で求められるストレージとは?
 エンタープライズ用とインターネット用のストレージでは、求められる優先項目が異なる。表3にその違いを示す。この表から、エンタープライズ用とインターネット用ではほぼ正反対であることが分かる。
【表3】エンタープライズ用とインターネット用のストレージは異なる
 次に、以下に今後のインターネット用のストレージに求められる特長を示す。

  @RAIDやTAPEでなく、DASを基本に目的に合った新システム
  A無限の拡張性   プロトコルは“IP”、時代毎の最適技術に最低コストを適応
  B信頼性       バックアップ/リカバリーの発想から脱却
  Cエネルギー     ビット当たりのエネルギーを最少、未使用時はエネルギーゼロが理想
  D100年ストレージ データを100年間保存する事を意識する

 管理単位をブロックからファイル単位に変更し、インターネットの構造とストレージの構造を同一化させ、性能向上と安全性のためにデータをIP上に分割する。RAIDの如く同期してデータを扱うのでは無く非同期で行う。全体性能はRAIDの1/10以下になるが、RAIDでもファイル転送モードでの転送速度は20MB/s 前後が普通であり、この程度ならインターネット経由でも充分性能が得られる。ファイル管理にする事でシステムは自由に選択でき、記憶媒体もその時代に併せて自由に選択できる。
 最大の特長はクラウドサービス故に、無限の拡張性が確保できることである。欠点としては、小さなデータを大量に取り扱うのは苦手な点がある。論理的には可能であるが、性能を確保して分散保管するため一定量のデータ量が必要なためである。
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■LX100Systemストレージシステムによる実証例
1.インターネット用のストレージに対応するストレージ
 図1に新シテムのアーキテクチャを示す。左側はRAIDで右側は新シテムを実現するLX100Systemストレージシステムである。
【図1】従来RAIDシステムと新システムのアーキテクチャ
 NodeはHDD自身や記憶媒体に直接IPのインタフェースが内蔵されているのが理想であるが、現実には無理である。そのため、実存する技術をベースに必要な機能を実現したものがNodeの概念であり、それを商品化したのがLX100Systemである。その設計思想は以下の通りである。

  @Nodeはストレージに必要な機能を総て盛込む
  A制御装置はNode内の制御に充分な性能(小型、低消費電力)でよい
  BNode自身は消費電力を最少にすべく開発。未使用のNodeはスリープ状態
  CNodeをネットワーク上に分散し全体で信頼性と絶対性能を得る
  DNodeは機能が同じなら異なる機種でも良い
  E障害時は障害が発生したNodeのみを切り離す事で解決
  F規模が大きくなればなる程、信頼性と全体の性能が増加

上記の仕組みにより、LX100Systemは保存するデータを複数のNode配下のHDDに分散保存することができ、ハードウェア障害などによるデータ滅失を防止する。また、インターネットで用いられている仕組みをストレージシステムに応用することにより、HDD容量の容易な拡縮を可能にし、Nodeの接続台数や設置場所といった係数を増やすことで冗長性のある仕組みを実現する。これらのことと、8〜12TBの容量を実装しても、40Wという僅かな電力での稼働を同時に実現した。同容量を実装した一般的なストレージの消費電力が400〜500Wであるのと比べて、約1/10の消費電力を実現した。
 表4にLX100Systemの仕様と下記の図に本体外観を示す。19インチラック(40U)の両面に搭載が可能な1Uハーフサイズを採用しているため、1ラック当たり640TB〜1.28PBの容量を実装しても、消費電力3.2kWである。すなわち、ペタバイトクラスのストレージシステムを1ラック当たり4kVAの供給電力で運用可能である。データセンタ事業者にとってはスペースの有効活用が図れ、利用者は運用コストの削減が期待できる。
【表4】LX100Systemの仕様[2]
【図2】LX100Systemの外観[2]
 例えば、LX100Systemで1PBのストレージシステムを1年間(356日、24時間)運用した場合の消費電力量は約3万kWhになる。そこで、一般のストレージシステムを10倍とすると約27万kWhの削減ができる。また、データセンタの電気代を1kWh当たり20円とした時に、540万円の削減が可能となる。他にもラック本数の削減分を考慮すると、データセンタの運用コストとしては1千万円近い削減も見えてくる。
2.バックアップが不要な仕組み
 大規模に成れば成るほど、バックアップは困難になる。単純な例としてインターネット全体のバックアップは人類には不可能である。そこで、LX100SystemをスカパーJSAT株式会社が提供するクラウド・ストレージサービス『S*Plex3』と組み合わせることで、理想的なクラウド・ストレージシステムを実現可能である。S*Plex3では、図3に示すようにファイルを符号化・断片化して7ヶ所以上のデータセンタに広域分散保管を行う。オリジナルのデータがそのままの形では存在しなく、仮に断片化されたファイルをコピーされて情報が漏れたとしても、それだけでは復元をすることができない。S*Plex3はクラウドサービスでは国内初のコモンクライテリア認証(ISO/IEC 15408)を取得しており、個人情報もクラウド・ストレージサービスに登録する事が可能である。
【図3】ファイルの符号化・断片化と広域分散保管の流れ

   映像協力:スカパーJSAT株式会社様
 また、分散保管したデータの約30%のデータを損失してもオリジナルデータの復元が可能である。そのため、広域分散保管した数ヶ所のデータセンタが甚大な災害を受けても、他のデータセンタに残っているデータからリアルタイムに復元ができるため、継続した運用が可能になる。このことから、ディザスタリカバリーシステムの構築やバックアップ作業が不要になり、大幅なシステム運用・維持コストの削減を図れる。さらに、ハードウェアの耐久年数による3〜5年ごとの大規模なデータ移行作業が不要になり、ハードウェアメーカや機種を問わないため、製品サイクルによる制約を受けない。そのため、その時点で利用可能な最もビットコストの安い記録メディアを自由に選択でき、データ保管にかかるコストを抑えることが可能になる。
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■利用イメージ
企業システムでの利用イメージ      Webシステムでの利用イメージ
【適応システム】
・企業システム
 会計データ、製品試験データ、ISO関連ドキュメントなど、法律や制度的に長期保存が義務付けられるデータ
・医療関係
 レントゲン写真、電子カルテなどのデータなど
・公共関係
 各種届出書類、免許・許可情報などの保管情報など

【導入効果】
・外部媒体によるバックアップ保管が不要
・保管媒体や装置の仕様変更に影響なく、長期保管が可能
・装置寿命による膨大な移行作業を軽減
・設置スペースや電気代など、維持・運用コストの削減が可能

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【適応システム】
・データ保管サービス
 オンラインストレージ、データ転送、メディア保管サービスなど
・ストリーミングサービス
 ファイル共有、映像配信、音楽配信サービスなど




【導入効果】
・ペタバイト規模への柔軟なスケールアップが可能
・バックアップ、HDDのリカバリー処理が不要
・装置寿命による膨大な移行作業を軽減
・設置スペースや電気代など、維持・運用コストの削減が可能
[1]2008年度版 グリーンIT推進協議会 調査分析委員会報告書より
[2]2011年11月現在の仕様。改良のため予告なしに仕様・デザイン等を変更することがあります。