■PUE 1.1を実現する新空調システムの開発
データセンターの最大の課題は、消費電力の削減です。通常のデータセンターでは、IT機器が消費する電力と同等以上に冷却設備で電力を消費しています。現状では、以下の3種類の冷却方式が用いられていますが、それぞれに課題があります。
・電気式空調冷却方式 → 大量の消費電力
・水冷式冷却方式 → 水資源の確保、水質の維持
・外気冷却方式 → 空気フィルター、IT機器の寿命、寒冷地・高多湿での動作
そこで、既存の冷却方式とは全く異なる高効率の空調方式を、株式会社デンソー様と開発しました。
間接外気冷却空調は、外気を熱交換パネル(写真@)に触れさせることで、IT機器が排出する熱を冷却します。間接外気冷却空調で使用する熱交換パネルは、面積が広い程冷却能力が高くなり、今回は総面積が73,600u(約2万坪強)※1に及ぶ熱交換パネルがコンテナに収納され、外気温が20℃以下では60〜80kw/コンテナの冷却性能を有します。
ただし、外気温以下に冷却することはできないため、外気温度の高い夏場は副空調システム(エアコン)により能力不足分を補います。
また、膨大な電力を消費する電気式空調装置(エアコン)と異なり、新しく開発した空調システムは自然現象を応用することで、最小限の消費電力での運用を実現します。そのため、1ラック当たり6KWの負荷で、PUEは夏でも1.3、夏以外では1.1以下、通年で1.2以下を達成します。
※1:CTC Data Centerの総床面積(5センターの合計、76,000u)、IDC総床面積では国内2位に匹敵する面積
出展:データセンター完全ガイド 2011年春号(IDC何でもランキングより)
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